ま のすけの「環境時々刻々」04
秋の行楽シーズンとなりました。車で紅葉を観に行く方も多いことでしょう。陽が短くなっていますので、運転には気を付けて下さいね。
さて今回から数回、自動車と環境・エコについて書いていこうと思います。
自動車と環境といえば、今外せない話題は「2040年問題」でしょうか。
かいつまんで説明すると、イギリスとフランス、それに同調したドイツの一部都市で、2040年以降、ガソリンエンジン車もディーゼルエンジン車も完全販売禁止にすると定めたのです。つまりは、排気ガスの一切出ないEV車(電気自動車)のみ販売が許可されるということ。
(インドではそれより早く2030年に切り替えを予定しています)
もちろん英仏両政府が政府独自に決めた訳ではなく、在欧の各自動車メーカーとの協議調整もしての発表でしょう。いち早く2019年以降販売するすべての新車へ電気モーター搭載を発表したボルボに加え、フォルクスワーゲン・ダイムラー・BMWなどもすぐにEV車への切り替えを表明しましたし、その他の国の自動車メーカーも両国での販売分についてのEV車への切り替えの方法に知恵を絞っているところだと聞いています。
ただし、EC全域ではなく英仏独でというのは、EV車の現時点での限界があるということの表れなのかもしれません。
EV車の燃料部の効率は、どうしても燃料電池における化学反応の効率にそのまま直結してしまいますから、北欧などのさらに気温の低い地域では、EV車ではパワーやスピードが保てなかったり、途中でエンストを起こしてしてしまうといった可能性が高まったりするためです。
それともう一点。これはマツダ(日本)の指摘していることですが、現在のEV車は、あくまで充電式の蓄電池によるものなので、その充電前の電気をつくる時点で、むしろより多くの二酸化炭素排出をしていたり、原子力など核のゴミ問題を起こしているのではないかというもの。
この全体像の中で、油の産出から自動車での消費までをトータルで考えると、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンにもまだまだ環境問題へ寄与できる可能性は大きいのではないか、とも。
現に、当のマツダではディーゼルエンジンの効率の好さをガソリンエンジンに応用した「SKYACTIV-X」というエンジンの開発成功を発表し、来年(2018)には
流通量の比較的少ない一部の車種への搭載を決定しているとのこと。この新開発のエンジンにより、燃費は約3割程度改善され、それに伴い排ガス中の硫黄分や排出される二酸化炭素量も軽減できると見込んでいるようです。
次回は、更に詳しい「HCCIエンジン」についてのお話と、EV用のバッテリー開発の現状や動向、問題点などをご紹介して行きたいと思います。